労働保険の「一元適用」と「二元適用」
労働保険には「一元適用事業」と「二元適用事業」が存在します。二元適用事業に該当する事業は、建設業、都道府県・市町村の行う事業、港湾運送の行為を行う事業、農林・水産・養蚕・畜産の事業があります。ここで挙げた事業以外はすべて一元適用事業になります。
両者の大きな違いは、労働保険料の申告方法と納付方法、手続きの窓口になります。一元適用事業では労災保険と雇用保険をまとめて申告・納付を行い、二元適用事業では労災保険と雇用保険を分けて申告・納付を行うこととなります。一元適用事業は労働保険番号が1つですが、二元適用事業は労働保険番号が2つになります。
二元適用事業の場合分労働保険番号を分ける理由としては、事業ごとに様々ですが、建設業の場合は工事を請け負う元請が、工事ごとに変わるからです。建設業において労災保険は、元請業者がその工事に従事する全ての労働者の分を掛けるので、下請業者は労災保険を掛けません。しかし雇用保険は元請、下請関係なくそれぞれの事業が別個に掛ける必要があります。
しかし現場作業以外の、倉庫内作業や事務所での事務作業や営業、設計を行う従業員がいる場合等は建設業の労災以外にも別で労災保険を掛ける必要があります。この場合労働保険番号は雇用保険と合わせて3つになり、労働保険料の計算も煩雑になります。