建設業 労働保険の年度更新
毎年7月10日までに提出する労働保険の年度更新。従業員が一人でもいる事業所は必ず行っている手続きになります。予定で払っていた保険料(概算)と実際に必要な保険料(確定)を計算し、併せて今年度の概算を計算し納付します。
通常の事業であれば、労災保険も雇用保険も従業員の給与から計算されますが、建設業は労災保険の計算の仕方が変わります。雇用保険については計算の仕方は同じですが保険料率が他の事業より高いです。雇用保険の計算の際には、原則、法人の役員や同居の親族の給与は計算の対象になりませんので算入しないようにしましょう。
建設業の労災保険の年度更新は、毎年4月~3月に完成した元請工事の金額から計算を行います。請負金額は税抜きの金額になるので注意が必要です。あくまで元請工事の金額なので、下請工事しかないのであれば、保険料はかかりません。建設業はご存じの通り現場ごとに労災保険が適用され、元請が労災保険に加入しており、元請が労災保険料を払っています。
工事の金額にもよりますが、1億8千万円以上であれば、その工事ごとに労災保険に加入し保険料を納付、1億8千万円未満であればまとめて報告することになります。今回は1億8千万円未満の工事の場合の話になります。
建設業の労災保険の年度更新が複雑なのは、上記で説明した元請か下請かを判断し、元請工事だけを抽出し、その元請工事が土木工事なのか、建築なのか、設備なのかどの事業に該当するかを分けて計算するとこです。土木、建築、設備など事業の種類で保険料も変わってきます。常に準備をして、スムーズに年度更新を行えるようにしておきましょう。