従業員が退職したら

 従業員が退職する際には、様々な手続きが発生します。従業員が辞めない会社が理想ですが、なかなか難しいのが現実です。

①退職届の受理
会社の就業規則等に定められた期日までに、従業員が退職の意思表示として退職届を提出されたら、会社は申し入れを受け入れる必要があります。

②業務の引継ぎや保険証等の回収
退職日までは従業員なので、現在の業務を全て後継者に引継ぎを行い、退職日までに貸与されているものや保険証等は会社が回収します。

③社会保険の喪失手続き
健康保険や厚生年金は会社を退職したら5日以内に喪失の手続きをする必要があります。ただし、健康保険の任意継続をする場合は従業員本人が退職日から20日以内に申請する必要があります。

④雇用保険の喪失手続き
雇用保険は退職日から10日以内に喪失の手続きをする必要があります。従業員から離職票を希望された場合は離職票も作成して届出が必要になるので、退職前に離職票の有無を従業員に確認しましょう。

⑤所得税の手続き
源泉徴収というかたちで従業員の給与から所得税を差し引いて給与を支給しています。退職した場合は退職する年の1月1日から退職日までに支払った給与や賞与、控除した社会保険料等を記載した源泉徴収票を発行し退職してから1ヵ月以内に従業員へ交付します。従業員は次の就職先等で必要になります。

⑥住民税の手続き
給与から住民税を差し引いて徴収を行っている場合、「給与支払報告に係る給与所得異動届出書」を従業員が住む市町村に退職月の翌月10日までに提出します。

 上記のように従業員1人が退職することで様々な手続きが発生します。この他にも退職月の給与は社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税それぞれがいつまで差し引くのか変わってくるので注意が必要です。
退職手続きに漏れや遅れが発生すると、退職した従業員に迷惑をかけることになります。迅速な手続きを心がける必要があります。

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