建設業の労務課題
建設業の労務課題は主に「長時間労働」と「人手不足」です。厚生労働省の2020年の毎月勤労統計調査によると、建設業の総労働時間は164.7時間、全産業平均より30時間以上多い結果でした。また、建設業では週休2日制が十分に実施されていないのも現実です。事務組合での勤務時代、約600社の建設業の事業所の委託がありましたが、「工期があるから仕方ない」「昔からこの働き方だから」「天候に左右されることもある」等の意見は多くありましたが、「労働時間を減らすために〇〇をする」と言う会社は少ないのが現実でした。
そんな建設業にも2024年4月から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されます。上限規制の時間は原則、月45時間、年360時間です。特別な事情がある場合でも単月で100時間未満、複数月平均で80時間以内、年720時間以内に収める必要があります。
1日8時間働いて月曜~土曜まで出勤した場合、土曜日の8時間はすべて時間外労働になります。これに日々の残業を加えると45時間なんてすぐに超えてしまいます。
この規制に対応するために、適切な勤怠管理が行える環境を少しずつでも整えておくことが重要です。週休2日制が浸透していない現場の実態を考えると難しいと考えてしまいますが、罰則を受けないためにも早急に対応をしておきましょう。